【医業経営ニュース】 Vol.43「地域医療連携に係る主な診療報酬、介護報酬」
医療機関の連携・機能分化を推進する目的での、地域医療連携を評価する様々な報酬基準があります。今回は、それらの診療報酬・介護報酬についてまとめました。
2022年度診療報酬改定で新設・変更となった主なポイントは以下の通りです。
■ 二次性骨折予防継続管理料【新設】
骨粗鬆症の治療による二次性骨折の予防を推進する観点から、骨粗鬆症を有する大腿骨近位部骨折患者に対して早期から必要な治療の実施を評価した医学管理料です。
管理料区分 | 適用される場面 |
管理料1 | 一般病棟等の入院患者で、大腿骨近位部骨折に対する手術を行った者に対し、骨粗鬆症の計画的な評価及び治療等を行った場合に算定 |
管理料2 | 回復期リハビリテーション病棟等の入院患者で、二次性骨折予防継続管理料1を算定した者に対し、継続して骨粗鬆症の計画的な評価及び治療等を行った場合に算定 |
管理料3 | 入院外患者で、二次性骨折予防継続管理料1を算定した者に対し、継続して骨粗鬆症の計画的な評価及び治療等を行った場合に算定 |
■ こころの連携指導料【新設】
精神障害又はその増悪に至る可能性が認められる入院外患者に対し、かかりつけ医等及び精神科又は心療内科の医師等が、自治体と連携しながら多職種で患者をサポートする体制を整備していることを評価した医学管理料です。粗鬆症の治療による二次性骨折の予防を推進する観点から、骨粗鬆症を有する大腿骨近位部骨折患者に対して早期から必要な治療の実施を評価した医学管理料です。
指導料区分 | 適用される場面 |
指導料(Ⅰ) | 精神疾患が増悪する恐れがあると認められる者又は精神科若しくは心療内科の医師による療養上の指導が必要であると判断される者に対し、精神科又は心療内科を標榜する保険医療機関に対し、診療情報提供を行った場合に算定 |
指導料(Ⅱ) | こころの連携指導料(Ⅰ)を算定し、紹介された患者に対し療養上必要な指導を行い、紹介元の医師に対して診療情報提供を行った場合に算定。 |
■ 急性期患者支援病床初期加算【変更】
急性医療を担う病院の後方支援を評価した地域包括ケア病棟入院料の加算です。
一部、自院一般病棟からの転棟を多く受け、自宅等からの受入れが少ない医療機関が存在したため、2022年度改定で許可病床数と転棟元により点数の区分が細分化されました。
転棟元 | 改定前 | 改定後 | |
許可病床数 400床以上 | 許可病床数 400床未満 | ||
他院一般病棟 | 150点 | 150点 | 250点 |
自院一般病棟 | 50点 | 125点 |
■ 在宅患者支援病床初期加算【変更】
自宅や老健等における療養の継続に係る後方支援を評価した地域包括ケア病棟入院料の加算です。
老健以外から入棟した患者と老健から入棟した患者を比較した際、老健から入棟した患者の方が不安定である状態の割合が高かったことから、2022年度改定で転院元により点数の区分が細分化されました。
転院元 | 改定前 | 改定後 |
介護老人保健施設 | 300点 | 500点 |
介護医療院、特養、軽費老人ホーム、有料老人ホーム等又は自宅 | 400点 |