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【医業経営ニュース】 Vol.48「保険医療機関等の指導・監査等について ②集団的個別指導」 

前回の指導・監査等の種類や対象に関する解説に続き、今回は集団的個別指導について解説します。

集団的個別指導の概要、指導当日の流れ
保険診療の取扱い、診療報酬の請求等についての周知徹底を目的に実施されます。指導対象は、レセプト1件当たりの平均点数が高い医療機関が対象となります。教育指導が目的であるため、診療報酬の自主返還等はありません。
指導方法は、主に「集団部分」と「個別部分」から構成されていますが、「集団部分」のみの実施となる場合もあります。

指導対象 下記の①かつ②に該当する保険医療機関
① レセプト1件当たりの平均点数が各都道府県の平均点数の一定割合を超える(次頁参考)
②類型区分ごとの保険医療機関等の総数の上位8%の範囲に位置する
※1ヶ月あたりのレセプトが概ね30件未満は指導対象から除外
※前年度・前々年度に集団個別指導又は個別指導を受けた保険医療機関を除く
指導実施通知 指導日の1か月前を目途として通知
出席者 原則、指導対象保険医療機関の管理者(必要に応じ保険医、診療報酬請求事務担当者等)
※正当な理由(冠婚葬祭、天災等)がある場合は延期(原則当該年度中に実施)
指導方法 集団部分 保険診療等の取扱い及び診療報酬の請求等について、講習、講演等を実施
個別部分 事前抽出(投薬・検査等に特徴的な傾向が見られるもの、高点数のもの等)した指導対象保険医療機関のレセプト※に基づき、個別に簡便な面接方式で実施 ※実施しない場合もあり
指導結果の通知等 個別部分を実施した場合は、指導終了後、口頭で指導結果を説明
指導後の措置 翌年度においても高点数保険医療機関に該当した場合…翌々年度に個別指導を実施
個別部分での指摘事項がレセプト上で改善が見られない場合…個別指導対象となる
自主返還 なし(教育的指導が目的のため)

集団的個別指導後の対応
指導実施後、翌年も高点数保険医療機関に該当した場合、指摘された内容が指導後にレセプト上で改善が見られない場合は、個別指導の対象となります(次回解説いたします)。

■広島県における集団的個別指導の対象点数(令和4年度)
広島県における令和4年度の指導対象となる点数は下表のとおりです。病院は入院点数、診療所は有床診療所も含め、外来点数が対象となります。

累計区分 広島県の平均点数 指導対象となる平均点数(レセプト1枚当たり)

病院
(機能別)

一般病院 55,372 60,909 県の平均点数
×1.1
精神病院 41,205 45,326
臨床研修指定病院/大学附属病院/特定機能病院 68,677 75,545
診療所
(診療科別)
内科 1,312 1,574 県の平均点数
×1.2
内科(在宅) 1,505 1,806
内科(透析) 10,311 12,373
精神神経科 1,264 1,517
小児科 1,171 1,405
外科 1,654 1,985
整形外科 1,299 1,559
皮膚科 753 904
泌尿器科 1,129 1,355
産婦人科 985 1,182
眼科 1,047 1,256
耳鼻咽喉科 716 859

集団的個別指導の対策
集団的個別指導は教育指導が目的であるため、指導の対象となっても焦る必要はありません。しかし、翌年もレセプト1枚当たり点数が県平均点数より高かった場合、個別指導の対象となるため注意が必要です。集団的個別指導の対策としては以下が挙げられます。
【事前対策】検査等の必要性を精査…漫然とした検査等を行っていないかを確認するなど、指導対象点数とならないよう対策を行う
【指導後の対策】算定状況の精査…カルテ記載等が医科点数表に則っているか自己点検を行う

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