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【医業経営ニュース】 Vol.61「2024年度診療報酬改定 検討状況レポート 05 ─ 第1ラウンド議論の概要 ─」

2023年8月30日の中医協総会において2024年度診療報酬改定に向けた第1ラウンドでの議論の総括が行われ、各種の議題についてのテーマ別の「論点」や「主な意見」が示されました。今回はそれらの議題の中から[外来][入院][在宅]について、ポイントを抜粋して取り上げます。

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■外来

テーマ 論点 意見
かかりつけ医機能・医療機関連携 中長期的に地域の医療提供体制が人口減少や高齢化等に直面する中、2023年の医療法改正を踏まえたかかりつけ医機能の強化等や外来機能の明確化・連携を推進し、患者にとって安心・安全で質の高い外来医療の提供を実現するための診療報酬のあり方 かかりつけ医機能の在り方のひとつとして、複数の医療機関との緊密な連携が示されている。将来的には全国医療情報プラットフォームが構築されることで実現するが、実現までの間は現在利用可能な地域医療情報連携ネットワークや紙の文書も含めた、現状の医療提供体制を生かしながら評価の在り方を検討していくべき
どの診療機関でも同じ対応ができること、どこにかかればそのような対応が可能なのか、判断できる実績を含めた情報を患者が把握できるような状況にすべき
生活習慣病対策、外来機能の分化の推進 効果的・効率的な医療を提供するための診療報酬のあり方 単純に加算を新設するといった発想ではなく、既存のかかりつけ医機能の評価について体系的に整理すべき
紹介受診重点医療機関を広げていくことや、診療所についても特徴を出し、連携体制を構築していくことが重要
オンライン診療 前回の改定を踏まえた、今後のオンライン診療の適切な評価のあり方 令和5年3月にオンライン診療の適切な実施に関する指針が一部改定されたところであり、安全性、必要性、有効性の視点から、学会のガイドライン等を踏まえて、適切な診療を実施しなければならないことや、ホームページや院内掲示等において、指針を遵守した上で実施している旨を公表することなどが追加されたため、これらが遵守されているのかどうかも評価する際の視点として重要

 

■入院

テーマ 論点 意見
急性期

高度急性期

高齢者の救急搬送件数の増加等を踏まえ、急性期病棟と地域包括ケア病棟に求める役割・機能についての、及びこれらの機能分化を促進し、個々の患者の状態に応じた適切な医療資源が投入される効率的かつ質の高い入院医療の提供を推進するための評価のあり方 高齢者の救急搬送件数の増加への対応としては、二次救急に対する評価とともに、三次救急からの下り搬送を評価すべき
高齢化が進む中で、急性期一般入院料の算定に占める高齢者の割合は増加傾向にあり、急性期医療が高度かつ集中的な医療を必要とする患者への対応に重点化されるよう、機能分化による効率的な医療をさらに評価すべき
急性期一般入院料においても65歳以上の患者が相当数を占めており、また、要介護の患者やADLの低い患者がそれなりに入っている一方で、リハビリ専門職は回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟に多く配置されているため、救急医療機関からの必要な下り搬送を推進するとともに、急性期の高齢者を早期のリハビリが可能な地域包括ケア病棟等で受け止めることが望ましい
回復期 在宅患者等に対する救急医療を含め、地域包括ケア病棟に求められる役割やその評価のあり方、及び回復期リハビリテーション病棟における質の高いリハビリテーションを推進するための評価のあり方 誤嚥性肺炎や尿路感染症の入院治療については、対応可能な地域包括ケア病棟におけるより一層の対応が必要ではないか。ただし、地域包括ケア病棟は、看護配置が13対1であること等から、対応できる救急医療には限界があることも認識すべき
回復期リハビリテーション病棟においては、重症度の高い患者の受け入れの促進とともに、入退棟時のFIMの改善のみならず、退院後に在宅医療を受ける場合や施設に入所する場合において、ADLが維持されるような取組が重要
回復期リハビリテーション病棟におけるFIMの第三者評価の義務化も視野に入れつつ、実績に基づく評価を更に推進すべき
慢性期 療養病床に係る医療法施行規則における看護師等の員数等についての経過措置が終了すること等を踏まえ、長期にわたり療養が必要な患者に対する適切な入院医療の評価のあり方 医療法上の経過措置の期限を考えると、療養病棟入院料における2026年3月までの経過措置は終了させる必要があるが、患者や臨床現場に混乱を来たすことのないような形とすべき

 

■在宅

テーマ 論点 意見
在宅医療 在宅医療の需要が大幅に増加することが見込まれる中、地域包括ケアシステムを推進する観点から、在宅医療の提供体制や、在宅療養患者の急変時に適切に対応するための情報共有や連携を充実させるための方策、本人・家族の希望に沿った医療・ケアの促進 在宅医療の需要は2040年に向けさらに増大することが予想されており、患者が状態や疾患に応じて希望される場所で看取りがなされるよう、診療報酬上も適切な対応を検討していく必要がある
在宅医療提供体制は医師が一人で24時間365日の対応をするのではなく、近隣の診療所や中小病院との連携の下に構築する必要があり、在宅療養移行加算の様な連携の仕組みを普及していくのが喫緊の課題
訪問診療・

往診等

質の高い訪問看護や更なる高齢化等を見据えた24時間対応に応えられる訪問看護の提供体制の構築を推進する観点からの、訪問看護に係る診療報酬上の評価のあり方 訪問看護ステーションの規模について、効率性の観点からも、大規模化を引き続き推進する方向で検討を進めるべき
精神科訪問看護では、身体疾患を合併した利用者への対応に加え、疾患や障害を持つ利用者の家族等や社会的な課題への対応が求められることがあるなど、複雑困難な対応をしている場合もあることから、必要な方策や評価の在り方を検討すべき

 

第1ラウンドの議論を踏まえ、今後の個別項目の議論(第2ラウンド)への注目が必要です。

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