医業経営ニュース】 Vol.63「後発医薬品の出荷停止等を踏まえた診療報酬上の臨時的な取扱いについて」
後発医薬品の供給停止等が続き代替後発医薬品の入手が困難となっている現状を踏まえ、9月21日付けで厚生労働省保険局医療課より事務連絡『後発医薬品の出荷停止等を踏まえた診療報酬上の臨時的な取扱いについて』が発出されました。今回は本内容の概要について解説します。
■当該取り扱い期間
2023(R05)年10月~ 2024(R06)年3月 期間分
※今年3月13日に発出された4月~9月の診療分の臨時的取り扱いの再延長となります。
■臨時的取扱いの対象の診療報酬
事務連絡の別添2に記載の品目(下表参照)と同一成分・同一投与形態の医薬品については、
・後発医薬品使用体制加算
・外来後発医薬品使用体制加算
・後発医薬品調剤体制加算
・調剤基本料注8に規定する減算(後発医薬品減算)
(以下「加算等」と記します)における実績要件である後発医薬品の使用(調剤)割合(以下「新指標の割合」と記します)を算出する際に、算出対象から除外して差し支えないものとされました。
※今回の再延長に当たり、除外品目等に変更がありますので、ご確認ください。
今回除外品目に追加された成分(50音順) | |
・アゼルニジピン ・アルファカルシドール ・アロチノロール塩酸塩 ・イトラコナゾール ・イフェンプロジル酒石酸塩 ・インドメタシン ・エカベトナトリウム水和物 ・オメプラゾール ・オロパタジン塩酸塩 ・クラリスロマイシン ・クロルフェネシンカルバミン酸エステル ・サラゾスルファピリジン ・ジピリダモール ・ジフェニドール塩酸塩 ・シメチジン ・セフトリアキソンナトリウム水和物 ・タモキシフェンクエン酸塩 |
・テルビナフィン塩酸塩 ・トスフロキサシントシル酸塩水和物 ・ドロキシドパ ・バルサルタン・アムロジピンベシル酸塩 ・パロキセチン塩酸塩水和物 ・ピコスルファートナトリウム水和物 ・ピタバスタチンカルシウム ・ベニジピン塩酸塩 ・ベラプロストナトリウム ・ベンズブロマロン ・ミノサイクリン塩酸塩 ・メナテトレノン ・メロキシカム ・モメタゾンフランカルボン酸エステル ・レトロゾール ・球形吸着炭 ・尿素 |
除外品目外となった成分(50音順) |
・アリピプラゾール ・アンブロキソール塩酸塩 ・エペリゾン塩酸塩 |
(品名については参照先にてご確認ください)
■臨時的取り扱いを行った場合の報告について
・前記の全ての品目について新指標の割合の算出対象から除外することとし、一部の成分の品目のみ算出対象から除外することは認められません。
・臨時的取扱いは1か月ごとに適用できることとし、加算等の施設基準について、直近3か月の新指標の割合の平均を用いる場合においては、当該3か月に臨時的取扱いを行う月と行わない月が混在しても差し支えありません。
・カットオフ値の算出について、臨時的取扱いの対象とはしないこととし、新指標の割合について臨時的取扱いを行った場合においても、カットオフ値についてはこれまでどおりの方法で算出し、加算等の施設基準の実績要件を満たすかどうか確認する必要があります。
■臨時的取り扱いを行った場合の報告方法等
・新指標の割合を算出する際に臨時的取扱いを行い、加算等の実績要件を満たすこととする場合(後発医薬品減算については減算に該当しないこととなった場合)は、保険医療機関等は、各月の新指標の割合等を記録するとともに、各地方厚生(支)局の報告様式に必要事項を記入し、期限までに報告を行うこと。
・前月と加算等の区分が変わらない場合においても、新指標の割合の算出に臨時的取扱いを行い、実績を満たすこととする場合は、報告の対象となります。
・加算等の区分に変更が生じる場合又は基準を満たさなくなる場合には、これまでどおり変更等の届出を行う必要があります。その際、後発医薬品の使用割合等については、臨時的取扱いを行って算出した割合を記載しても差し支えありません。
■上記の報告期限
臨時的取り扱いを行う期間 | 報告対象期間 | 報告期限 |
2023(R05)年10月~12月 | 2023(R05)年6月~11月分 | 2023(R05)年12月27日 |
2024(R06)年1月~3月(※) | 2023(R05)年9月~ 2024(R06)年2月分 |
2024(R06)年3月29日 |
(※…令和5年10月~12月について報告を実施した場合も報告すること)
各期限までに報告が間に合わない場合は、事前に各地方厚生(支)局へご相談ください。