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【医業経営ニュース】Vol.106「2026年度診療報酬改定レポート3ー包括的な機能を担う入院医療について(その2)」

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7月17日に「令和7年度第7回入院・外来医療等の調査・評価分科会」において、包括的な機能を担う入院医療について(その2)として、6月13日に議論された『地域包括医療病棟』の続きが議論されました。
※6月13日の議論についてまとめたものはこちらをご覧ください。

 

 

  • 急性期一般病棟(入院料2ー6)と地域包括医療病棟の併設について

前回の議論をさらに深化させるべく、急性期一般病棟(入院料2-6)と地域包括医療病棟が併設されている医療機関の受入れ患者の傷病名やADL、要介護度についてデータが示されました。

出典:令和7年7月17日 中医協 (令和7年度第7回)入院・外来医療等の調査・評価分科会

出典:令和7年7月17日 中医協 (令和7年度第7回)入院・外来医療等の調査・評価分科会

 このようなデータからもわかるように、急性期一般病棟(入院料2-6)と地域包括医療病棟は、大きな違いがなく、看護配置も10対1と共通であることから、今後併設についてどのように考えていくか注目されます。
また、いずれの病棟も85歳以上の在院日数の中央値が85歳未満と比べて5~6日程度が長くなることもデータにて示されました。今後更なる高齢化が進む中で、高齢者の平均在院日数が長くなってしまうことについても検討される可能性があります。

 

 

  • 地域包括医療病棟の医療資源投入量について

請求点数と包括内実績点数の関係について、データが示されました。

出典:令和7年7月17日 中医協 (令和7年度第7回)入院・外来医療等の調査・評価分科会

 このデータから、整形外科系の疾患は、包括内の出来高点数に対する請求点数の比が高い傾向にあり、内科系の疾患においては低い傾向にあることがわかりました。
また、次のデータから外科系症例と比較して内科系症例は救急搬送からの入院、緊急入院の割合が高いことが示されました。さらに緊急入院する割合が高い診断群や手術を行うことが少ない診断群では、包括内の出来高換算点数が高いことも示されました。
このように手術や緊急入院を要する疾患かどうかによって医療資源投入量が異なることについて、どのように評価していくか検討を進める必要があります。

同一の診断群分類で医療資源投入量が同等程度であっても、ADLや要介護度が多様であることも示されました。

高齢社会に伴い、増加する軽症から中等症の高齢者救急を受け入れる病棟として新設された『地域包括医療病棟』ですが、このように高齢者の入院患者像の多様性があることから、今後どのように評価されていくのか議論に注目が必要です。

 

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